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小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア

小児連載コラム『いざというときにあせらない こどもの病気とケア』

第7回 「気になるこどもの最新アレルギー事情2020 ~アレルギー検査について~」

 

アレルギー検査には、血液検査、皮膚テスト、食物アレルギーの場合は食物負荷試験などがありますが、一般的にはアレルギー検査=血液検査を意味することが多いかと思います。

 


血液検査では、アレルゲン(食物なら卵、牛乳、小麦など、花粉症ならスギ、ヒノキなど)に対する特異的なIgE抗体の量を測定し、その数値によってクラス0からクラス6まで7段階に分類します。

 


ここで注意したいのが、IgE抗体の量でアレルギーがあるのかないのかは断定できない、ということです。

 


乳児期に血液検査を行い、卵のIgE抗体がクラス0と出てため、普通に卵を食べさせてみたらアナフィラキシーショックを起こして救急車で運ばれてしまった、というのは実際にあった有名な話です。

クラス0というのは必ずしもアレルギーがないということを意味するわけではありません。

 


血液検査ではわかるのは、アレルギーの傾向があるかどうかです。

 


すなわち、クラス0は9割以上の確率でアレルギーがなく、クラス6というのは9割以上の確率でアレルギーがある、という意味なのです。

(アレルゲンによってこの確率は変わります。)

 


例えば、花粉症の血液検査をしてスギがクラス1と出た場合、スギ花粉症である確率は2割程度となり、血液検査だけではスギ花粉症かどうかは断定できないのです。

(当院では、スギ花粉の季節に花粉症の症状が出て、それが抗アレルギー薬で改善した場合、スギ花粉症ですよと説明しています。)

 

 


それでは、血液検査はする意味がないのでしょうか?

 

 

 

そんなことはなく、最近はアレルギーの安全性を予測する手段として検査の重要性が見直されてきています

 


例えば、卵アレルギーがあるお子さんが血液検査でIgE抗体がクラス2まで下がれば通常は食べられることがわかってきましたし、食物負荷試験を行う際の重症度の予測因子としてIgE抗体が有用であることがわかってきました。

 


血液検査のみではアレルギーの確定診断はできませんが、かかりつけ医と相談して上手に活用してください。

 

 

 

医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック 
院長 山田慎一

https://www.yamadakodomo-clinic.com/

 

※2020年5月15日掲載

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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