小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア
視力は、言葉や歩行と同じように、成長に伴ってだんだんと獲得されていく能力です。
生まれたばかりの赤ん坊はほとんど目が見えていませんが、1歳で視力は0.1程度になり、3歳頃にようやく大人と同じ視力に達するとされています。
この視力の成長期になんらかの理由で正常な視力の成長が止まってしまい、眼鏡をかけても視力があがらない状態を弱視と言います。
弱視のお子さんは普段から目をよく細める、近づいてものをみるという症状から自宅で気づくこともありますが、片目だけ弱視のお子さんの場合、見える方の目で日常生活ができるので、自宅で気づくことはほぼ不可能です。
弱視は6歳まで(可能であれば3歳まで)に治療をすればほとんど治癒する(=眼鏡をかければ視力があがる)のですが、わからずに放置してしまった場合に失明してしまう危険性があります。
3歳児健診ではランドルト環を用いて自宅で視力検査をしますが、弱視があっても「C」がにじむようになんとなく見えてしまうことがあり、その結果弱視が見落とされてしまう場合があります。
当院では2年前からスポットビジョンスクリーナーという弱視の検査機器を導入し、生後6ヵ月以上の健診で使用しています。泣かずに検査機器を見つめることができれば10秒ほどで結果がでます。
当院ではこれまでに1100人のお子さんに検査を行い、弱視が7人、弱視以外で眼鏡を作ったほうがよい疾患が3人見つかりました。
健診以外で検査を希望される方は1回200円で診察時間帯にいつでもできますので、ご相談ください。
医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック
院長 山田慎一
https://www.yamadakodomo-clinic.com/
※2020年7月31日掲載
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