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小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア

第34回  風邪の漢方


風邪の漢方


風邪には漢方薬がよく効きます。


一般的には、全身をしっかりと診察し、風邪の病期やその人の体質を考えて、風邪そのものを治す麻黄湯、桂枝湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯などを処方するのですが、こどもにそういった漢方薬を処方することは稀です。


というのは、こどもの場合、病期を見極めるのがあまり簡単でないこと(啼泣すると脈がきちんととれない、腹部の所見が取りにくいなど)、肩が凝るなどの症状を聴取することができないことから、風邪そのものを治す漢方薬を処方しにくいのです。(僕は自分の体質を考えて、風邪かなと思ったら麻黄附子細辛湯をよく内服しています。)


僕はこどもの風邪には、症状によって漢方薬を処方しています。


咳には五虎湯、柴朴湯を中心として、清肺湯、麦門冬湯、麻杏甘石湯、小青竜湯、半夏厚朴湯などを処方しています。


子供の咳は痰がからんでいることが多いので、まずは湿性咳嗽に効く五虎湯から処方し、効果がなく5日以上長引いているときは柴胡が入った柴朴湯を処方しています。どちらかで効果があるお子さんが多いと思います。


しかし、いずれもおいしくない漢方薬であり、どうしても飲めない場合は麦門冬湯を処方しています。麦門冬湯は味がしないので、誰でも飲めると思います。


麦門冬湯は乾性咳嗽に効く漢方薬であり、こどもの咳に最初に処方することは稀ですが、どうしても咳を止めたくて漢方薬が飲めない場合には、「おいしい咳止めよりは効果があるはずですよ」と説明して処方しています。

鼻水、鼻づまりには葛根湯加川きゅう辛夷、辛夷清肺湯を処方しています。これらは膿性鼻汁に効果があり、副鼻腔炎の予防にもなると言われています。

 

さらさらした鼻汁には小青竜湯が効きます。

 

乳児には、咳止めの効果も期待して麻黄湯を処方しています。咽頭痛には桔梗湯を処方しています。桔梗湯は甘い漢方薬で、咽頭痛によく効きます。喉が赤い原因がウイルスによるものであれば、咽頭痛に抗生剤は効きませんので、大人の咽頭痛にもおすすめです。


こどもに漢方薬を処方する場合に、「どうやって飲ませるのか」が重要です。

 

漢方薬は何に混ぜてもよいのですが、普段食べなれているおいしいもの(ヨーグルトなど)に混ぜてしまうと、二度とその食品を食べなくなる可能性があるので、基本的には普段食べ慣れていない甘いもの(アイスクリーム、あんこなど)に混ぜてみましょう。乳児に関しては、甘いものを使うわけにはいかないので、白湯に溶いて飲ませてみてください。


風邪は基本的に薬を飲まなくても自然治癒しますが、少しでも早く治したいという場合には漢方薬を試してみてください。

 

 

医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック 
院長 山田慎一

https://www.yamadakodomo-clinic.com/

 

※2020年11月27日掲載

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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